はじめに

2.オウム時代の反省・総括の概要

オウム時代の反省・総括の概要

 このサイトに掲載した、オウム時代の反省・総括の概要について説明します。

 総括をまとめていく作業は、まだまだ途上にありますが、2007年~2017年の時点でまとめたものを随時掲載しています。まだ不十分なもののため、今後も引き続き、あらゆる角度から検討を加えて総括を深め続け、社会に還元できるものを作り上げていこうと努めております



0.総括作業の概要

 ひかりの輪では、団体発足時(2007年5月)に定めた、基本理念会則(※1)に基づき、オウム事件やオウム・アレフ全般について、その誤っていた点を振り返り、反省し、二度と同じ過ちを繰り返さないための総括作業を、団体の中心的活動として行ってきました。

  これら総括作業は、主に、

  1 上祐史浩代表個人としての総括
  2 団体としての総括(本編・時系列)
  3 団体としての総括(テーマ別)
  4 指導員・会員個人としての総括

 という4つのパートで実施し、その概要を、文書の形にまとめました。それぞれが長文となっていますが、ご一読いただければ幸いです。

(※1)
 「会則」第3条(目的)においては、
「過去のオウム真理教事件の反省に立ち、その教訓を生かしつつ、宗教・思想・哲学・科学及び芸術等を幅広く研究・実践及び公開することによって、人々の心身の浄化、癒し、人間と自然との調和に尽くし、もって宗教による悲劇が発生しない精神的に豊かな社会づくりに奉仕することを目的とする。」としています。
 また、第4条(活動)の①においては、
「本団体の基本理念に基づくオウム真理教事件の調査・研究及び総括」
を活動内容とすべく定めています。



1.上祐史浩代表個人としての総括

 オウム真理教時代に教団最高幹部であった上祐代表は、その立場から知り得たオウム・アレフにおける数々の違法行為や過ちを明らかにして懺悔することによって、当団体の会員のみならず、今もアレフに残って麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚(以下、麻原と表記)への崇拝を続ける信者らを善導するためにも、自ら率先して総括を行い、文書で発表してきました。

 上祐代表による総括は、現在、次の2つの文書にまとめられています。

①『上祐総括:オウム入信から現在まで』

 上祐代表は、1995年までにオウム真理教で経験した、いわゆる"ヴァジラヤーナ活動"と称する違法行為の事実と、なぜそのような違法行為に自分自身や周辺が加担していったかについての分析と総括をまとめています。
 さらに、1999年末に出所して教団に復帰してから、2000年以降アレフで行ってきた活動、アレフ内での分裂騒動、アレフから独立して「ひかりの輪」結成に至るまでの経緯を振り返り、その間のことも総括しています。

②『上祐史浩からアレフ信者へのメッセージ2007』

 今も麻原に依存するがためにアレフ教団に残っている信者らに対して、麻原への個人崇拝の誤りを説き、同様の総括を促すために、この文書を作成して、公表しています。

 上祐代表は、これらの文書の中で、

・かつて宗教的無智によって麻原を絶対視し、グルイズムの世界に入り込んでいったこと
・麻原の説く「教団は唯一の善、社会は悪」という極端な善悪二元論、選民思想的な教義を受け入れ、社会に対して傲慢で独善的な考えを増長させてしまったこと
・その流れの中で麻原や事件に疑問を抱きつつも、あえて絶対的な帰依を選択して教団武装化に加担し、社会に対して嘘をついたこと

 を明らかにし、反省しています。

 そして、とりわけ2000年以降、麻原の実態に考察を加える一方、自然や他宗教と交わる中で、グルイズム(グル絶対主義)や二元論的な考えの過ちに気づき、宇宙の全ての存在に神仏を見いだしていく一元論的な思想を作り出していく必要を感じるようになった旨の総括を展開しています。



2.団体としての総括(本編)

①『オウム真理教(1983~1999年)の活動経緯の総括』

 数十回にわたって行われてきた「総括会合」の結果、2008年7月には、ひかりの輪として、オウム真理教時代の総括と、総括に基づいて今後進んでいく方向性について文書にまとめることができました。それがこの『オウム真理教(1983~1999年)の活動経緯の総括』の文書です。
 同文書では、まず、1983年から1999年までのオウム真理教の歴史を順に振り返り、その時々の重要な出来事や麻原の説法、信者の動向や心情等を整理し、総括しています。
 なお、この文書は、2008年7月10日の記者会見においても、マスコミを通じて広く社会に公表しています。

②『アレフ時代(2000~2007年)の総括』

 「総括会合」の中で、オウム真理教時代に続くアレフ時代(2000~2007年)について行った総括を、この文書にまとめています。



3.団体としての総括(テーマ別)

 このコーナーでは、いくつかのテーマに沿って、これまでまとめてきたオウム真理教や麻原についての総括を掲載しています。

①麻原の教義・言動の変遷

 オウム真理教の時系列的な事実経過を踏まえて、麻原の変遷についてまとめた文書です。
 麻原は、自己中心的で誇大妄想的な性格であったところ、時を経るにつれて被害妄想的になり、社会と教団に著しい害悪を及ぼし、教団を破滅に導いていったと総括しています。

②事件の要因の総括と、今後の方針と償い

 事件の原因は何だったのかについての分析・総括を行う中、まとめた文書です。
 弟子である信者らが、麻原と教団を誤って神格化し、個人崇拝した原因について探り、信者や信者を取り巻く状況にあった問題についてまとめています。
 そして、麻原独自の、犯罪を正当化する密教的な教義の解釈の過ちについても総括しています。

 それらの総括・反省に基づき、今後、元オウム信者で構成されるひかりの輪が、二度と同じ過ちを繰り返さないために、どのような点に注意して歩んでいくべきかについて、今後の方針、思想、実践について記しています。

 そして、今後果たしていくべき社会への償いについて、オウム事件の被害者の方への賠償は当然のことながら、それに加えて、テロによって社会に被害を与えた以上、「テロのない社会」という理想に向けて、微力ながら、できるだけの貢献をしたいと考え、現在予定もしくは一部実行している活動内容を記しています。

③心理学の「影の投影の理論」に基づくオウム真理教と日本社会

 ここでは、深層心理学者であるユングの「影と投影の理論」(※1)をもとに、オウム真理教および麻原、そしてオウム事件を考察しています。

(※1)「影の投影理論」とは、河合隼雄氏(故人、京都大学名誉教授、前文化庁長官)らによって、日本でも普及されたものです。一見別々に見える、この世界の諸現象が、本質的には、相互に密接に関係していると見るものです。

④心理学的な視点に基づく、麻原・弟子・現代社会の人格分析

 心理学に照らし、オウム事件のような異常な事件を起こし、あるいはその教団を支えてきた信者の心理を、心理学の理論をもって分析し、総括した文書です。

 まだ進行中ではありますが、集団心理学、社会心理学、「自由からの逃走」としての教団、集合無意識が作った教団等の観点から総括を進め、現段階のものを一応の文書にまとめ、公開しています。

 この総括を行う中で、麻原について、「空想虚言症」「誇大自己症候群」という人格障害者であったと総括し、それに追随した信者らにも同様の傾向があったと総括しました。



4.指導員・会員の総括

 ここでは、元オウム信者である「ひかりの輪」指導員それぞれの個人の総括と、専従スタッフや会員による陳述書を掲載しています。

  一人ひとりが、あのような悲惨な事件を起こしたオウム真理教という教団に、なぜかつて属し、それを支え続けてしまったのか。そして、そこからどのような葛藤を経て、オウム・アレフの信仰から脱却し、脱会し「ひかりの輪」に参加するに至ったのかなど、思い思いに自分の言葉で綴っています。

 事実として、ここでご紹介する一人ひとりは、全員がサリン事件などのテロ事件には関与しておりません。しかし、一人ひとりがオウム真理教を構成し、支えてきたという視点から、各個人のオウム時代を振り返っています。

                                                 以上