『KEITAI BANDIT'S』4月号(ミリオン出版)及川健二氏インタビュー
2007年03月11日
現在発売中の『KEITAI BANDIT'S』4月号(ミリオン出版)に、ジャーナリスト・及川健二氏による上祐代表に対するインタビュー記事が掲載されました。
以下に全文をご紹介します。
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................................................................................「私の芸能感覚は山口百恵と沢田研二で止まってしまっています」
宗教団体「アーレフ」代表 上祐史浩
撮影 飯田勇
インタビュー・構成 及川健二
オウム的な善悪二元論に社会を引きずり込んだ罪――自分達が変わることで、その贖罪を願う上祐氏
宗教を創造する男
―――上祐さんは普段テレビを御覧になりますか? 好きな芸能人・お笑いタレントとかいれば教えてください。
テレビはほとんど見ませんね。ただ、現世を知るためにたまに見ることはあります。一昨年の紅白歌合戦は流行に遅れないために見ました。昔は『ベスト テン』という番組が好きでしたね。私の芸能感覚は山口百恵と沢田研二でとまってしまっています。彼らが引退して、私も引退してしまった。お笑いはビートた けしの時代でとまってしまっています。
―――米国の9・11テロが起きたときは何をしていましたか? また、何を感じましたか。
事件直後からCNNをずっと見ていました。当時は9・11テロが、教団の地下鉄サリン事件と連動しているのではないかと思いました。類似点は4つあ ります。まず、飛行機・地下鉄で異なりますが同時に複数(4つ~5つ)の公共交通機関をつかった。第二に朝8時頃だった。第三に東京とニューヨークという 大都市で起きた。第四に無差別テロだったという点です。彼らはオウムの真似をしたのか、少なくとも、シンクロした現象だった、と思います。
私は旧オウムを離れて新教団をつくります。そこで、テロ組織にいた者も反省して、まっとうになったということを社会に示さなければならないと考えて います。というのは、オウムは自分たちを善、社会を悪として、力でなければ社会は変わらないと考え、大変なテロ事件を起こした上、長らく反省しなかった。 そのため、社会には、「世の中には、(オウムのような)絶対的な悪があり、それは決して変わらないから排除すべき」という物の考え方が強まった。言わば、 オウムの善悪二元論に社会を引きずり込んだ罪があります。自分達が変わることで、その流れを変え、贖罪をしたいのです。
また、イスラムの人達には、オウムもアメリカを悪としてテロを行ったけれど、力対力の戦いでは、何もよくならないから、新たな道を探すべきだ、と呼びかけたいと思います。
―――イラク戦争はどう思いましたか。
オウムもイスラム原理主義も、アメリカを悪と見て、自分たちを善とした、善悪二元論に立っています。そして、大変なテロ被害を受けたため仕方がない のでしょうが、ブッシュ政権も、善であるアメリカ側につくか、悪であるイスラムテロリスト勢力につくか、という選択を世界に迫って、ある意味で、善悪二元 論に陥ったのではないでしょうか。
私のオウム時代の経験でも、善悪二元論に陥ると、敵対する他者を現実以上に悪く見て被害妄想になり、善とした自分たちについては過信・誇大妄想が生じる。イラク戦争は、やり過ぎだったというのが国際世論でしょう。
オウムは、社会から弾圧され、アメリカから毒ガス攻撃を受けている、という一種の被害妄想に陥り、自分たちをキリストの集団だと思って過信し、社会 と戦おうとした。ブッシュ政権は、イラクが大量破壊兵器を持っているとか、テロ組織とつながっていると思い込んだが、アルカイダとの関係も、大量破壊兵器 も存在しなかった。そして、戦争後のイラクの治安のコントロールにおいても、自分たちの力を過信して、失敗した。
こうして、オウムの善悪二元論が日本社会に広がり、オウムのテロがイスラムのテロにつながって、アメリカを含む世界全体に二元論が広がった。言わば、世界のオウム化がおこってしまった。この流れを何とか変える、贖罪をしたいと思います。
宗教は、人々を幸せにする手段であり、宗教のために人が存在するのではない。特定の教祖や神が絶対で、他が悪なのではない。キリストを信じても、マホメットを信じてもいい。こういった、多様性を尊重し、盲信を越えた、宗教・思想が、21世紀には必要だと思います。